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nasneを無線LANで運用する

nasneを無線LANで運用する

2015年12月22日

SONYのネットワークレコーダー、「nasne」を購入してから4カ月ほど。

有線LANでの使用が推奨されている(そもそも無線LANを内臓すらしていない始末)nasneを無線LANで運用してみました。

結果から言ってしまえば快適に扱えました。

前述したようにnasneは有線LANでの使用が前提であり、無線LANはそのままでは利用不可です。ビットレートの高い動画をストリーミングで配信するのですから、速度、ping、安定性の面で無線を上回る有線の利用が推奨されるのは当然ではありますね。

しかし自宅のルータは1階。nasneを設置する部屋は2階。流石にLANケーブルを家中這わせるのは現実的ではない(壁内配線が一番なんですけどね)ので、どうにか無線で使ってみます。2階のデスクトップPCでの快適な視聴が目標。ついでに1階のPS3でも見られれば御の字。

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イーサネットコンバータの導入

有線LANを無線LANとして利用することを可能にするのが「イーサネットコンバータ」です。無線LAN対応機器が増えてきた昨今、あまり利用されることは無くなってきた感はありますね。

今回はいくつか方法を考えてみました。

  1. おとなしくイーサネットコンバータを買ってくる
  2. 余っているルータを無線LAN中継器兼イーサネットコンバータとして用いる
  3. スイッチングハブを用いて現在PCに使用しているイーサネットコンバータを兼用する

2ができればこれが一番楽そうではあります。無線LAN中継器として接続されているルータの有線LANポートにnasneを接続することができる(少なくともバッファローのルータは可能)ので、下手にイーサネットコンバータを購入するより安くすむ場合もあります。懸念としては、中継器利用による速度低下の可能性、そして「余ってるルータなんてねぇよ」という所。

安定面では3も良いところ。スイッチングハブを用い、PCとnasne、イーサネットコンバータ間を有線で繋ぎます。再生機器であるPCとnasneが有線LANでの接続となるため、安定した通信が見込めるはず。

今回はとりあえずシンプルに1でいってみます。後からスイッチングハブを買い足すこともできますし。

今回用いるイーサネットコンバータは「WLI-UTX-AG300/C」。PCでも使っているので信頼の置けるものを。電源がUSBから取れるので、nasne本体のUSBポートから給電できます。

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こんなかんじ。

あまり格好よくはありませんね…

場所に余裕があれば2つの有線LANポートを持つWL300もいいかもしれません。先程の3のようにも使えますね。

どれくらいの速度が必要か?

現在自宅で使用しているルータはバッファローの「WZR-900DHP」。これは通信速度450Mbps+450Mbpsという表記があります。分かりにくい表記ですが、2.4GHzと5GHzのWiFiの両方がそれぞれ450Mbpsまで出るよ(理論上は)ということなので、実際の最高速は450Mbpsになります。使用者がまだ多くなく、干渉の起こりにくい5GHzを用いるのがベスト。

また、今回使うWLI-UTX-AG300/Cは300Mbpsまでの対応なので、ここがボトルネックとなりますね。もちろん、障害物や他のWiFiとの干渉もあり、実際にはこの速度はまず出ませんが。

実際にPC、nasne間がLANによってどの程度の速度でリンクされているか、nasneにファイルを転送して簡易的に測定してみると、

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およそ40Mbpsといったところですね。正直遅いです。しかしそれなりに快適に視聴ができていることを考えると、少なくとも機器間通信で40Mbps以上が出せるLANを構築できれば、nasneの視聴に困ることはない(はず)と言えます。

1/14追記:WLI-UTX-AG300/Cが1000BASE-T未対応であることに気づきました。最高で100Mbpsまでしか出ません。対策としては下の記事をどうぞ。

ルータをイーサネットコンバータとして使おう

問題はPS3です。現在一般的であるWiFi規格、「IEEE 802.11n」であれば高速な通信が見込めるのですが、PS3は「IEEE 802.11g」であり、最大54Mbpsです。実際に視聴してみても、映像が止まったり、音声が途切れたりと快適とは言い難く、イーサネットコンバータによる11n接続が欲しい所。

さて、nasneには2つの録画モードがあります。高画質であるDRモード、そして3倍モード。nasneは本体HDDが1TBと多くは無いので、HDDを増設せずに使うのであれば3倍モードを多用する事になるでしょう。

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これが3倍モードでの録画番組再生時。10Mbps前後です。

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ですが、再生開始直後や、早送り、チャプタースキップ後は20~30Mbpsへ跳ね上がります

これに耐えられるかが快適な視聴ができるかの大きな分かれ目になってきます。先程の40Mbpsが出せれば問題なさそうですが、PCで同時に他の作業を行うことも考えると…

DRモードでは再生時は常に20Mbps弱を使用します。フルHDのBS放送ではさらに高くなるでしょう。

大丈夫そう

自分の環境では上記のイーサネットコンバータを利用することでPC、iPhone、iPadでの視聴は問題なく行えるようになりました。イーサネットコンバータを用いればnasneの置き場所にも自由度が生まれるのでオススメです。

ただし、DRモードでの視聴はコマ落ちが発生することもあるので、3倍モードでの使用が良いかと思われます。画質も遜色ないですし。DRモードでも快適に使用する為には、スイッチングハブ等を用いてnasneと再生機器間だけでも有線にするのがベストでしょう。