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Aterm WG2600HSをイーサネットコンバータとして使ったら、iMacのインターネット速度が劇的に改善した

2020年1月27日

こんにちは。以前、以下の記事で無線LANルーターをイーサネットコンバータとして使用したと紹介しました。

ルータをイーサネットコンバータとして運用する際の注意点など。 【2020/1/28 追記】以下に最新の記事を公開しました。 https://www.cleart…
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NECの「Aterm WG1200HP」はおよそ4年間安定して動作していたのですが、最近ストリーミングで動画や音声を再生している際に頻繁に止まる、ブラウザの読み込みが明らかに遅くなるトラブルがiMacで発生。Radikoが頻繁に止まってしまい、録音が細切れになってしまう悲しい事故が発生しました。

問題切り分けの結果、どうやらWG1200HPがトラブルを起こしているようだったので、買い替えることに。

WG1200HPはエントリークラスの製品でしたが、今回はハイエンドモデルのWG2600HSを選択しました。これがなかなか驚くべき結果に。

以下のリンクは後継機となります。

抑えておきたいポイント

ルーターをイーサネットコンバータとして使用する際に抑えておきたいポイントは以下。一言で言えば、予算の許す限り上位のAtermシリーズを買っておけば間違いないです。

有線LANポートの仕様

最近は流石に100BASE-TXのみ対応の製品はかなり少ないとは思いますが、1000BASE-Tに対応していることは要チェック。

WG2600HSは1000BASE-T/100BASE-TXのLANポートを4つ装備。イーサネットコンバータとして使用時はWANポートもLANポートとして使えるので、5台の機器の子機として使用できます。

また、当然ですがLANケーブルも全てCat5E以上を使用しましょう。将来的に10Gbpsになっても対応できるCat6Aがおすすめです。

そもそもイーサネットコンバータとして使用可能か

一般的にルーターと呼ばれる機器は、ルーターモード、ブリッジモード(APモード)、中継機モードを持っていることが多いです。NECのAtermシリーズの多くはこれに加えて子機モードがあり、イーサネットコンバータとしての使用が可能です。

バッファローのルーターは基本的に子機モードがありません。中継機モードでも子機として使用できますが、中継機能にWiFi帯域の一部が割かれるため、純粋な子機モードに比べて通信速度が落ちます。

WG2600HSを選択した理由

4×4ストリームに対応している

現在自宅で使用しているアクセスポイントはバッファローのWSR-2533DHPLで、4×4ストリームの11acに対応しています。同じ4×4ストリームに対応しているNECのルーターの中で最も安価な現行モデルがWG2600HSとなります。価格は7000円台。これまで使用してきたWG1200HPは2×2ストリームの11ac対応でした。

実効スループットが1000Mbpsを超えている

よくルーターのスペックに「1733Mbps」やら「867Mbps」やら記載されており、箱にもデカデカと書かれている場合がありますが、まずこの速度は実際には出ません。あくまでWiFiの規格値であり、実際はルーター内のCPU等の性能に大きく左右されます。

NECのAtermシリーズは規格値とは別に実効値が記載されています。WG2600HPの場合は規格値1733Mbpsとなっていますが、実効値が1048Mbpsとのこと。自宅は光回線1Gbps、有線LANも1Gbpsで組んでいるため、実効値で1000Mbpsを超えているWG2600HSが自宅ネットワークのボトルネックになることは恐らくないだろうと判断しました。WG2600HSより下のクラスの製品になると、実効値は1000Mbpsを大きく下回ってきます。これまで使用してきたWG1200HPは実効値462Mbpsのため、2倍以上高速です。

WG2600HSのさらに上位機種である「WG2600HP3」は実効値1430Mbps、これから普及するであろうWiFi6対応ルーターの最上位機「WX6000HP」は4040Mbpsという圧倒的な性能を誇ります。早くWiFi6が普及するといいですね。

ちょっと怖い点としては、親機のバッファローのWSR-2533DHPLが実効値1000Mbpsを超えているのか、というところ。バッファローさんも実効値公開してください。

メッシュWiFiは遅い?

この際親機ごと買い換えてメッシュWiFiとする手もありました。メッシュWiFiの子機にはイーサネットポートを備えているものもあり、ここに有線LANで接続することでLANに参加できます。

メッシュWiFiのメリットとしては、広範囲に安定したWiFiを飛ばすことができる点にありますが、現在の親機のWiFi出力で足りていること、価格がまだ高価であること、実効値の面で劣るのでパス。

WiFi6のメッシュWiFi機器が出たらかなり良さそう。そして高そう。

速度計測

iMac 5K(2017)からCat6AのLANケーブルでWG2600HSと接続し、WG2600HSは5GHz 11acで親機のアクセスポイントWSR-2533DHPLと接続されています。親機と子機の間には距離も壁もあり、5GHz帯にとっては苦手な条件です。固定回線は光1Gbpsです。

WG2600HSには全てCat6AのLANケーブルでNAS、録画サーバ、WindowsPCが接続されています。そもそも何でイーサネットコンバータを使用しているかと言うと、これらWiFiに対応していない機器群を全てLANに参加させ、かつiMac間との通信は有線とすることで安定してファイルをやり取りするためです。

WiFi速度計測(インターネット)

iMacからインターネットへアクセスした際の速度を計測します。計測にはspeedtest.netを用い、接続先サーバはfdcservers.netとし、平日夜に連続してそれぞれ5回計測を行いました。

WG1200HP

WG2600HS

(参考)iMacから直接WiFiへ接続して計測

平均値は以下のようになりました。

機器 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
WG1200HP 289 265
WG2600HS 514 591
iMac内蔵WiFi 123 276

WG1200HPからWG2600HSへの交換でかなり速度が向上していますね!親機と4×4ストリームで揃えたのはやはり意味があったようです。もはやiMacの内蔵WiFiでは勝負になっていません。4倍近い差が付いています。

自宅の回線で下り500Mbps超えたのを初めて見ました。上りに至っては600Mbps超えも。大元の光回線が1Gbps超えの超高速回線であればもっと差が出ると思います。

WiFi速度計測(LAN)

iMacをWG2600HSから取り外し、直接WiFiに接続します。Macのディスクスピード計測アプリ「BlackMagick Disk Speed Test」を利用し、WG2600HSに有線接続されたNASの速度を計測します。理論上はWG2600HSなら1Gbps(およそ120MB/s)の速度が出るはずです。

経路のイメージとしては、iMac – WiFi – WG2600HS – 有線 – NASとなります。

WG1200HP

書き込み:10.1MB/s、読み込み:9.6MB/s

WG2600HS

書き込み:15.3MB/s、読み込み:10.9MB/s

それなりに差が出ました。WG1200HPの10MB/sはかなり悲惨な値。何処かに100BASE-TX機器挟まってんのかというくらい遅い。

対してWG2600HSでは瞬間的に書き込み20MB/sを越えることもあり、確実に高速になっていることが分かります。読み込みは特に差はなく。

有線速度計測(LAN)

上記と同様の計測を、iMacを有線でWG2600HSに接続した状態で行います。この場合、WG2600HSは単にスイッチングハブとして動作し、iMacとNAS間は有線で接続されていることになります。

WG1200HP

書き込み:110.3MB/s、読み込み:100.7MB/s

WG2600HS

書き込み:104.5MB/s、読み込み:95.9MB/s

この場合は両者ともにほぼ規格値の120MB/sに近い値が出ています。一見WG2600HSの方が遅くなっているように見えますが、この辺りは計測するたび変わるのであまり気にしないで下さい。

これ以上を求めるなら10GbpsLANを構築する必要がありますね。

まとめ。イーサネットコンバータとして文句なしの性能

イーサネットコンバータをWG2600HSに交換したことで、インターネットの下り、上りともに通信速度が2倍弱高速になるという素晴らしい結果になりました。最近悩まされていたストリーミング時に不安定になるトラブルも改善。親機もAtermにしたらもっと速度が出るかも。

何より、iMacの内蔵WiFiとここまで大きな差が出ることに驚きました。iMacやMac Miniなど、デスクトップタイプのMacを使用していて、WiFiの速度に不満がある方はイーサネットコンバータを試してみると良いかもしれません。もちろん、まずは親機の性能が大切ですよ。

次に親機を買い換える際はWiFi6対応の物を買うつもりなので、その時はお役御免となってしまいますが、どうかこのまま高速で安定して動いてくれることを願います。ネットワーク周りのトラブルってストレスが溜まるので…

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