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SONY α7IVからFUJIFILM X-T5へ買い換え。フルサイズからAPS-Cへ移行しました

SONYのフルサイズミラーレスであるα7IVを手放し、X-T5へ買い換えました。α7IVは昨年のベストバイ記事の中でも紹介した通り、非常に良いカメラです。が、SONYのカメラがちょっと自分と合わない方向に進化していっているなという気持ちが強くなり、一旦富士フイルムに浮気してみることにしました。まあ、もし合わなければ、SONYをまた買い直しちゃえばいいし!くらいの軽い気持ちで。

5年使ったαシリーズ

当時モデル末期のα7IIを購入し、1年半ほど使用。その後α7RIIIに買い換え、3年半ほど使ったところで昨年α7IVに買い替えています。

が、α7IV、やっぱりデカいんですよね。それほど重くはないものの、ボディとグリップの厚みはグッと増しました。撮影時に握り込んだ時の安心感はRIII比で増しましたが、カバンの中での存在感もかなり増しました。持ち出しの心理的ハードルがかなり上がってしまい、せっかくα7RIIIから買い換えたのにほとんど家に置きっぱなしという結果に。

まああれこれ理由を並べ立ててはいますが、単に飽きが来てしまったことが一回SONYをやめてみようと思った理由です。

ボディはX-T5を選択

Xマウントに移行して求めることは、機材の小型・軽量化、そしてフィルムシミュレーションの追い込みによるRAW現像の簡略化。RAW現像も楽しみの一つですが、ばっちりのJPEGが出てくることに越したことはないですし。

α7IVとレンズ資産を全て売却し、売却益のみでフジXマウントカメラ、レンズを揃えていくことに。現在サブのカメラとしてX-E4とXF35mmF1.4 Rを持っているのですが、X-E4のAFでは何かと辛い場面が多いため、メインのカメラとしてX-T5を購入。

X-T5 + XF23mmF1.4 R

富士フイルムTシリーズ最新のX-T5。ボディのみ購入し21万円ほど。フラッグシップのX-H2と同等のセンサー・処理エンジンをコンパクトなボディに押し込めている。APS-Cのセンサーサイズながら4020万画素の高画素機。フルサイズから移行となると、どうしても暗所の弱さが気になるところではあるが、α7IVと正直それほど差はない印象。

カメラ単体の性能だけ見ればα7IVが上回るが、それ以上の魅力と楽しさのあるカメラ。かなり良いカメラであることは周知の事実なので、あえて気になるところを挙げてみる。

AFは前世代機比で明らかに向上しているが、正直なところSONY・Canon・Nikonには全く追いついていない。動き回る子供やペットを撮るためのカメラではないという印象。ただ、自分は最近のLM(リニアモーター)駆動のレンズを使用していないため、レンズそのもののAF速度が優れていないことも要因。あくまで参考までに。

APS-Cのカメラとしては、X-T5ボディの実売は20万円を超えておりなかなか高価。APS-CミラーレスであればEOS R7やZ5、Zfcはさらに安価。各社のコンパクトフルサイズミラーレスのα7C・EOS R8・Z5に対して価格面の優位はない。身内を見ても上位モデルのX-H2と価格差は数万円程度。

レンズ選び

小型軽量化のため、レンズは300g以内のものから選ぶことに。XF23mmF1.4 R LM WRや、XF18mmF1.4 R LM WRといった新鋭の単焦点レンズが気になるところですが、どちらも370gほどの重量と、比較的長めの鏡筒を持つためパス。

これまで持っていたものも含め、以下のレンズを揃えました。

  • XF23mmF1.4 R
  • XF35mmF1.4 R
  • XF50mmF2 R WR
  • SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN
  • XC50-230mmF4.5-6.7 OIS II
  • TTArtisan 25mm f/2 C

富士フイルムが、40MP X-Trans CMOS5センサーの高画素をフルに楽しむためのレンズ一覧を公開していますが、完全に無視しています。

作例を少々載せていますが、すべてフィルムシミュレーションを用いたJPEG撮って出しとなります。

XF23mmF1.4 R

XF23mmF1.4 R

換算35mmは好きな画角。新型であるXF23mmF1.4 R LM WRと悩みに悩み、旧型の美品中古を購入。新型より短く軽い。解放からガッチリ解像するようなレンズが欲しいならSONYを使い続けるべきだと感じ、個性の残る旧型を選択。安いし。

XF35mmF1.4 Rに通じる柔らかなボケ。古いレンズということもあり、AFはあまり速くない。

マニュアルフォーカスクラッチオフ
マニュアルフォーカスクラッチオン

マニュアルフォーカスクラッチという珍しい機構を搭載。フォーカスリングを手前に引くと距離指標が現れ、カメラのモードに関わらずMFとなる。

換算35mmは十分広角なので、適当に撮ると半端な写真になるのが難しい。

XF35mmF1.4 R

XF35mmF1.4 R

神レンズとして名高いXF35mmF1.4 R。扱いやすい50mm+αの画角と、柔らかなボケが特徴のレンズ。とりあえずカメラをバッグに入れておこう、という時はこれ。解放F1.4と明るく、そこそこ寄れるので室内でのテーブルフォトにも強い。

撮りたいものを整理しやすい画角と味のあるボケ、小型軽量ながらF1.4で暗所も粘れる。SONYにおけるSEL55F18Zのような、単焦点はとりあえずこれ買っとけというレンズ。

XF50mmF2 R WR

XF50mmF2 R WR

換算85mmに苦手意識がある(なんかそれっぽい写真が出てきて面白いが、どうしても似たような写真ばかりになってしまう)が中望遠は一本持っておきたいので、やや広い換算75mmであるXF50mmF2 R WRを購入。あまり見かけない75mmであるが、標準ズームの望遠端にある画角なので、触ってみると案外馴染む。APS-CのF2なので、フルサイズ中望遠のような強烈なボケは得られないが、扱いやすいレンズ。

良く写る素直なレンズだが、それゆえちょっとつまらない部分もあるレンズ。後述のSIGMAの標準ズームが思ったより良く、そちらで代替できてしまうので手放してしまうかも。

SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN

SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN

しばらく標準ズームを使っていなかったが、小型軽量F2.8通しで潰しが効きそうなので買ってみた。全体的にかなり良い。40MPのX-T5では広角端がちょっと甘いかなー、と感じなくもないが、良い。

純正のXF18-55mmF2.8-4 R LM OISとどちらを買うかは悩ましいところ。解放F値が可変するズームがあまり好きでなく、またレンズ側のOISも不要と考えSIGMAを選択。絞りリングがあり、OISがボディと協調動作するのが純正のいいところ。メインで標準ズームを使うなら純正18-55を、標準ズームはあくまでサブで、バッグに忍ばせておけば十分だ、ならSIGMA 18-50を選ぶのがよさそう。

このレンズとXF35mmF1.4 Rだけでいいんじゃないか…?という気持ちにもなる。

XC50-230mmF4.5-6.7 OIS II

XF50-230mmF4.5-6.7 OIS II

普段望遠ズームは使わない(動物園とか野球観戦くらい)ので、とりあえず安価で評判も良い純正50-230を選択。キットレンズばらしで新品が2万円台で手に入る。まだほとんど使っていないものの、ちょっと試した感じでは思った以上によく写り、OISはしっかり止まる。今回揃えた中で唯一300gを超える、370gのレンズ(軽いな)。

X-T5をもってしてもAFはイマイチ。フォーカス距離が大きく移動すると合焦までかなり待たされる。数秒迷った挙句AFが決まらないことも。ボディ側でフォーカスリミッターを掛けておくのが良さそう。細かいフォーカスであれば特に不満のないAF速度。

良く写る。

TTArtisan 25mm f/2 C

TTArtisan 25mm f/2 C

X-E4に装着していたマニュアルフォーカスレンズ。実売9000円程度と安価だが、程よい重みの金属製の鏡筒で高級感はそれなりにある。オールドレンズライクな見た目も富士フイルムのカメラに合う。

開放の描写は緩いが絞れば悪くない。電子接点のないシンプルなMFレンズのため、ピント合わせがシビアであまり扱いやすい印象はない。小さくて安くてカッコイイレンズなのでレンズキャップの代わりにでも。

なぜかX-Pro3も生えた

X-Pro3 + XF35mmF1.4 R

最近生産完了となったX-Pro3。あえて使い勝手を悪くした背面液晶と、OVFで撮る変態カメラ。ヨドバシで展示品上がりの美品が15万円+ポイント還元で売られており、つい買ってしまった。

かっこいいぞ

X-T5とは方向性の違うデザインでめちゃくちゃかっこいい。サブとしてX-E4を残しておく予定だったが、X-Pro3が格安で手に入ったのでX-E4は手放すことに。

まとめ

ボディもレンズも軽くなり、RAW現像しなくてもフィルムシミュレーションで好みの色のJPEGが出てくる。カメラを持って外に出かける心理的ハードルが大きく下がり、写真を撮るのがより楽しくなったように思います。とりあえず鞄にカメラ突っ込んどくか~という気持ちにしてくれる。α7IIに、35mmのパンケーキレンズを付けてぶら下げていた頃のような気楽さが帰ってきました。知らぬ間にスペック主義に走りすぎていたのかも。デカくて重けりゃ良く写るのも真理ではあるけれども。

ずっと使ってきたSONYのシステムに愛着はありますし、手放すのもとても惜しかったですが、結果としてはかなり良い方向に転んだと思います。

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