秋葉原にて中古PC、スマホを主に取り扱っているCCコネクトにて、「ThinkPad X1 Tablet Gen2」の中古品が19800円で売られていたので、気になって購入してみました。GW中のセールとのこと。
購入した個体はこちら。自分が購入した時点で、20台ほどの在庫があったように思います。ジャンク扱いではないようですが、返品交換不可とのことなので、動作確認は十分に行うべし。自分が確認した中では、ディスプレイの一部でタッチパネルが効かない個体や、ボリュームキーの接触が悪い個体などがありました。ジャンク扱いでないならば、もうちょっと検品をしっかりしてほしいものです。付属品は純正ACアダプタ(USB PD 45W)ですが、自分のものは壊れていました。(ACアダプタまでは動作確認していなかった…)まあ、一般的なUSB PD充電器で充電が可能なので、特に問題はないのですが。
Lenovo Vantageにて保証状況を確認したところ、どうやら2018/10から使われている個体のようです。4年間の保守が切れ、どこかの会社で使われていたものが流れてきたのでしょうか。
天板に細かいスレ傷や汚れはありますが、ThinkPadはどうしてもこうなりますね。湿らせたメラミンスポンジで擦るとかなり綺麗になります。
CPUは第7世代Core i5である「Core i5 7Y54」を搭載。当時のファンレスモバイルノートに採用されていたイメージがあります。今はなき12インチMacBookにも使われていたようですね。モバイル向けCPUですら平気で8コアとか載せてくる今、2コア4スレッドのこのCPUは完全に時代遅れですが、ブラウジングを中心とした軽めの作業であれば、今でもそれほど不満のない性能ではあります。
参考までに、Geekbench 6のスコアを計測しました。マルチこそ控えめですが、シングルは900を超えており、案外悪くないスコア。
ただし、第7世代CPUはWindows 11に正式に対応していない点には注意が必要です。
キックスタンドを跳ね上げると、2つのカードスロットが見えます。一つはnano SIMカードスロット、もう一つはmicroSDカードスロットとなります。そう、このX1 Tablet Gen2はLTE通信対応モデルとなります。UQモバイルのSIMカードを挿してみたところ、APN設定のみであっさりモバイル通信ができるようになりました。
こちらがmicroSDカードスロット。
裏面(キーボード側)。薄くLenovoロゴの印刷が入っているのみで、滑り止め脚などもないシンプルで整ったデザインです。
キーボードとタブレットを繋ぐ部分のビニール?人工皮革?の部分は劣化が激しいです。べたつきはありません。
柔らかい素材なので、この部分に保持力はありません。
“i”の赤LEDももちろん搭載。タブレットながら、しっかりThinkPadらしさを捨てていないのは好印象。
側面にはmini DP端子、USB-A端子、USB-C端子。USB-C端子は充電端子を兼ねています。
反対側にはボリュームキーとイヤホンジャック。
キーボードは日本語配列。やや右側のキーが小さく詰まり気味ですが、タブレットのキーボードとしては十分合格点のレイアウトではないでしょうか。ストロークも十分に深く、なかなか打ちやすいキーボードに仕上がっています。この記事もこのキーボードで書いていますが、特に不調もなく快適です。
自分は英語配列派なので、USキーボードを購入して付け替えて使おうかと考え中。
トラックポイントももちろん付いています。キートップは少々汚れがみられるものの、テカリやスレは少なく、それほど酷使されたものではない様子。
キーボードとタブレット本体はマグネットで固定されており、簡単に取り外しが可能。磁力はそこそこ強く、片方を持ってぶら下げても脱落してしまうことはありませんでした。
キーボードを外してみたところ。キーボード側にはバッテリーなどは搭載されておらず、単体での利用はできません。
ディスプレイ。一見非常に汚いですが、汚れているのは保護フィルムです。剥がすと綺麗なディスプレイが出てきますが、テカテカのグレアディスプレイです。
指紋センサーを搭載。もちろんWindows Hello対応です。感度はそこそこ。店頭に置かれていた時はドライバが当たっておらず指紋センサーが使えませんでしたが、OSをクリーンインストールし、最新のLenovo Vantageにてドライバ類の更新を行ったところ、問題なく使えるようになりました。
ディスプレイは2160*1440の12インチIPS。ベゼルは太いですが表示面とフラットなので、実物はそれほど野暮ったくは感じません。アスペクト比が3:2なのがいいですね。
ノートPCスタイルにしたところ。Surfaceシリーズのように、ノートPCスタイルで使用する際には、タブレット裏側のキックスタンドを展開する必要があります。膝上など、不安定な場所に乗せて使う用途には不向き。
キックスタンドの開き具合はある程度の調整が可能。
キーボードの位置は左のようにするのが標準のようですが、右のようにフラットにしてしまった方が打ちやすいです。
OSはWindows 10 Pro。レジストリを編集する方法でWindows 11をインストールすることも可能でした。
SSDはSAMSUNGのM.2 SATA 128GB。4年使用したPCにしては使用時間1500時間は少ないような。
SATA SSDとしてもちょっと遅いですね。書き込みが200MB台は寂しいです。どうやらM.2 NVMe SSDも認識するようなので、気が向いたら分解してみます。
ThinkPadらしく、タブレットながら公式に分解手順が紹介されています。
とりあえず触ってみた感想としては、案外使える印象です。Atomシリーズのプロセッサを載せたWindowsタブレットを以前買ってみたことがあるのですが、使用感には雲泥の差があります。ブラウジングやブログを書くなど、ちょっとした用途であれば十分なパフォーマンスです。タッチパネルでの操作も期待以上にキビキビとしたものです。自分はちょっとした調べ物や、自宅のLinux仮想マシン群への接続用の端末として、デスクの脇に置いておく使い方を試してみようと思います。
ディスプレイは綺麗ですが、スピーカーの音質はかなり残念なので、動画視聴用のタブレットとして使うのはあまりお勧めできません。
Windows 11によるCPU足切りの影響を受けてか、第七世代や第六世代のIntel CPUを搭載したノートPCの中古・ジャンク品が格安で秋葉原に溢れている中で、このX1 Tabletがコスパの良い買い物かと言われると微妙。ですが、打鍵感の良いThinkPadキーボード、タブレットながら分解が可能、SIMを挿せばLTE通信ができる、など遊び甲斐がとてもあります。GW後半のおもちゃや、サブ(サブサブ?)マシンにいかがでしょうか。