まさかSEIUN PROXより先に届くことになるとは。
およそ二年ほど前にクラウドファンディングで登場したSEIUN PLAYERシリーズのポータブルヘッドフォンアンプ「SEIUN PHA」が先日突然到着しました。
DAPであるSEIUN PRO、PROXがメインであったはずなのに、まさかのPHAが先に完成です。先月あたりから海外の一部の出資者に届き始めていることは知っていたのですが、発送連絡も一切なしに突然届くあたり、悪い意味で期待を裏切りませんね。延期につぐ延期でもはや当初の完成予定がいつだったかも忘れましたが…
外観
さて、全体的な外見はSONYのPHA-2Aのような、つや消しのアルミ筐体です。個人的にデザインは好みですね。
iPhone 7 Plusを重ねてみるとこんな感じ。案外スリムではありますが、10000mAhのバッテリーを内蔵していることもあり、重さはそこそこあります。
外装のビルドクオリティは案外高い印象。
本体正面。左からラインアウト、2.5mmバランスアウト、3.5mmヘッドフォンアウト。2.5mmバランスアウトのアサインが一般的なAKアサインと異なるという誰得仕様です。向かって左上には出力端子切り替え用スイッチがありますが、3.5mmで聴いているときにラインアウトに切り替えても多少聞こえてきたりと、なんだか怪しい挙動です。
ボリュームつまみはプッシュスイッチのように押し込むことができます。バッグやポケットの中で不意にボリュームが操作されることを防げます。これは非常に良いアイデアですね。
背面。左からUSBデジタルイン、オプティカルイン、USB電源供給、ラインイン/コアキシャルイン、USB充電端子。USBだけで3つある厄介な構造。
笑えるのは、HA-2のように中央のUSB端子を用いてDAPとデジタル接続ができると思いきや、この端子が完全に端末への給電専用となっている点。ただのモバイルバッテリーです。左側のmicroUSBを使う必要があります。iOSデバイスと接続する際には、microUSB-Lightningホストというレアなケーブルを用意する必要があります。(このケーブル、SEIUN JR-2に付属してたんですよね、CyberDriveさん単品で売ってくれませんか)
このヘッドフォンアンプの特徴の一つとして、DAP機能を有しています。内部に64GBのストレージを持っているため、PCから音源を転送することでSEIUN PHA単体で再生が可能。その際はこの5つのボタンで操作します。
電源オン。SEIUN JR-2を思い出します。
記憶が正しければ、再生画面もSEIUN JR系と同じだと思われます。
5つあるボタンのうち中央のボタンを押すことで、入力を切り替え可能。DSD AUDIOはUSBデジタルインですね。
最後に裏面。モデル名は確かPX-1だったと思うのは僕だけでしょうか。
使用感、音質
割と重いのでポータブルでの使用は諦め、iMacと接続して自宅でヘッドフォンアンプとして活躍してもらうことに。nano iDSDは据え置きシステムのDACにジョブチェンジ。
いざPCと接続してみると、USB周りの謎仕様が気になりますね。デジタルインと電源が別というのは無駄に配線が増えて綺麗じゃない。拘る人にとっては、電源が分離できるのでいいのかもしれませんが。
一応nano iDSDとコアキシャル接続も。FIIOのDAPに付属していたRCA-3.5mm変換アダプタが使えました。
さて、音質ですが、これがまたやたらと良いですね。ES9018Sが乗っているだけのことはあります。異様なパワーと繊細な音で、大抵のイヤホン、ヘッドフォンは鳴らし切れてしまうのでは、と思います。奇を衒うことのない音なので、特筆することはないですが、音に関してはかなり優秀だと言ってしまえると思います。なんだかんだ言いながら毎日使ってますからね。出資額を考えると、正直かなり満足しています。
数時間に一回程度、数秒PCとの接続が切れることがあるのが気になります。すぐに復帰するのですが… また、電源接続時に電源がオンにならないことがあり、わざわざUSBケーブルを外して入れ直す必要があり、ソフトウェア面の作り込みの甘さが伺えます。SEIUN JR-2の充電周りでとんでもないミス(充電不可)をやらかしている過去があるので、その辺りは慎重になって欲しかった。
あくまでもクラウドファンディングの製品は試作機的な気持ちでいるので、僕はそれなりに満足はしています。この先SEIUN PHAの製品版が市場に出回るのかは不明ですが、音とデザインは良いので、ソフトウェア面のブラッシュアップに期待したいところです。まぁ、それよりもSEIUN PROX早くしてよ、って話ではあるのですが。