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侮れないコンパクト。Shanling M1レビュー

侮れないコンパクト。Shanling M1レビュー

2017年3月1日

実は一月に買っていました、Shanling M1。eイヤホンで週末特価12000円と、円安の今、個人輸入するよりも安かったので、以前から気になっていたこともあり、購入してみました。

Shanling M1はその小ささが魅力ですが、意外にもしっかりした音、そして、やはりそのサイズの便利さに驚かされます。さらに、USB DAC機能、USBデジタル出力、Bluetoothレシーバー機能を備え、機能面でも抜かりのないDAPとなっています。

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開封

既視感のあるデザインの箱。普通ですね。12000円のDAPとしては立派ではあります。

高級感ありますね。PLENUE1の箱を思い出します。

今回購入したのはブラック。側面はつや消し。本体底部にmicroSDスロット、Type-Cコネクタ、3.5mmジャックを備えています。

色味はジェットブラックのiPhone7 Plusとそっくり。綺麗な光沢のブラックです。裏面のロゴ下の表記類がなければもっと格好いいんですけどね。

付属品はType-Cケーブル、microSDカードリーダ、リセットピン、保証書、画面保護フィルム。海外版にはType-C OTGケーブルが付属するようですが、国内版には付属しません。

外観

FiiO X1と並べてみると、厚みは同程度ですが高さは半分強と、かなりコンパクトであることが伝わると思います。手のひらにすっぽり収まるサイズで、DAPとはかくあるべきという感じですね。

ベゼルはやや太めな印象。ディスプレイの解像度はそこそこ高く、細かい文字も読みやすいですが、発色はイマイチなのでアルバムアートワークは少し色あせて見えます。まぁそんなこと大して気にはならないので個人的には問題ナシ。

操作はタッチパネルのように見えますが、実際は裏面右上のホイールで行います。操作感は案外小気味よくサクサクとしたもので、頻繁に選曲するような使い方でなければ十分満足できるかと思います。
国内版なので、技適マークもしっかり。

機能

USBデジタル出力

USB OTGケーブルを利用してUSB DACと接続することで、USBデジタル出力を利用できます。デジタル出力が可能なトランスポーターとしてはおそらく最も小さいので、mojoと組み合わせて使用している方も多いようですね。アップデートでDSDのDoP出力にも対応しました。

接続には特に設定などは必要なく、差し込めば簡単にDACを認識してくれます。上の写真はiBasso D55です。接続にはType-C OTG変換コネクタを使用しました。

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地味に便利なのがBluetoothレシーバー機能。他のDAP、PC、スマートフォンなどで再生した音楽をShanling M1を用いて聴くことができます。コーデックはSBCとApt-Xとなっており、iPhoneの対応する高音質伝送規格であるAACに対応しないのは残念ですが、iPhoneとの接続でも十分満足できる音でした。

手元のiPhone7 PlusやApple Watchで選曲、Shanling M1を用いてカスタムIEM KL-サンカで聴くという組み合わせが便利、かつ音質面でも満足できるので、とても気に入っています。

USBデジタル出力+Bluetoothレシーバー機能を組み合わせると…!

多機能でかつ1万円台前半と、非常にコストパフォーマンスに優れたDAPであるShanling M1。デジタル出力を活用してのアンプ等と組み合わせての使用も魅力的ではありますが、もちろん単体での音質が気になるところ。

microSDに保存した曲を聴いてみると、そのサイズと価格からは思いもよらないようなしっかりとした音が鳴ります。もちろん高級DAPと比べてしまうと高域の伸び等は劣りますが、派手でも地味でもないカッチリとした堅実な音をこの価格帯で実現しているのはかなり魅力的かと思います。やや低域を盛ったFiiO X1と比べても、好みの差はあれど、こちらの方が一枚上手な印象。これはみんなサブDAPとして買ってるワケだ、と妙な納得感がありますね。

ホワイトノイズはそれなりにあります。ただ、大きいものではないので、上の写真のKL-サンカのような極端に感度の高いイヤホンでなければほとんど気になることはないでしょう。実際に、TFZ series 5等のイヤホンでは気になることはありませんでした。

パワーも十分。通常のポータブル用途で困ることはないでしょう。もしパワーが更に必要な場面があれば、USBデジタル出力を活かしてアンプに繋いでしまえばOK。

SBCでも意外といい音

さて、個人的に気になるのはBluetoothレシーバ時の音質です。さらに今回はiPhoneとの接続になるので、音質面で有利なAptXは使えず、SBCでの接続となってしまいます。SBCは音質面では最も劣るので、気がかりな点です。

が、これがSBCでも案外いい音で驚きました。SBCは高域がカットされるなどと言われますが、正直よく分からない。これで十分じゃない?Shanling M1のDACとアンプが良い仕事をしているのでしょうか。とにかく、再生停止、曲選択をiPhoneで行えるのが非常に便利。オススメです。

国内版も安い今、とてもオススメ

冒頭にも書きましたが、技適を取得している国内版Shanling M1は円安の今、中国から個人輸入するよりも安価に購入が可能です。eイヤホンの週末特価等の12000円になったときが狙い目ですね。

今までDP-X1やPLENUE1など、Shanling M1と比べるとかなり上位に位置するDAPを使ってきましたが、スマートフォンを超えるサイズの大きさに辟易し、結局手放してしまうことが多くありました。やはり上着の内ポケットに入れていても存在感のないM1のサイズはとても魅力的です。操作はiPhoneから行えば全くストレスフリー。こういうのが欲しかったんだなぁ、と今更ながら思います。

僕がポータブルオーディオにこだわり始めた頃は、最上位のDAPでも10万円程度で購入できました。今や数十万のDAPが当たり前になってしまい、正直オーディオファンも疲れてきているように思います。そんな価格インフレの時代に、安価でしっかり作り込まれたShanling M1のような存在はある種の救いのようにさえ感じます。
安価で出来の良いDAPがもっと増えて、ポータブルオーディオの裾野がもっと広がるといいですね。