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DUNU 「DN-2002」レビュー。 「音質編」

DUNU 「DN-2002」レビュー。 「音質編」

2016年6月27日

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先日「開封、外観編」と題して簡単なレビューを公開しましたが、それから数日ひたすらDN-2002のみ聴いておりました。正直に申しますと好みド真ん中といったところで、こんなの1週間貸されたら欲しくなるに決まってるじゃねぇか回避不能かよとよく分からない愚痴を一人呟いている次第であります。コマッタナー

が、癖のない音であるが故に、また「DUNUらしくない」音故に、店頭での短時間での試聴では良さが伝わりにくいイヤホンであるとも感じました。どうしてもハイブリッドイヤホンには、「BAユニットならではの高域の尖り」を期待してしまう節がありますし、そのように設計されたであろう音のハイブリッドは多いです。過去のDNシリーズや、最近僕が購入したものではLZ-A3など、中高域の伸び、解像度を重視したモデルも一聴しての「分かりやすさ」「楽しさ」はあるのですが、これらの欠点としては、やはり聴いていて疲れる、といったところにあるように思います。

DN-2002はこの問題を解決した、と僕は考えています。「心地の良い」イヤホンであるDN-2002。レビューを読んで少しでも興味を持って頂ければ幸いです。

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低域は量感に優れつつも全体を支配しない

DUNU-2000や1000と比べ、明らかに低域は増えています。これはダイナミックドライバを2基擁することにも要因があるでしょう。ですが、「2つにしては少ないな」といった所。過剰でないのは良いですね。

重たくないのでスピード感に優れ、混み合った感が無く、ハイテンポで派手なアニソンや、メタルでもしっかりついてきます。ダイナミックだと、ここがグチャグチャになるイヤホン多いんですよね。

低域の解像感はBAと比べてしまうと流石に高くはありません。BAドライバの出すキレのある低音とは趣を異にするダイナミックらしい低域。が、ボワつき、籠もり感が無いのは本当に素晴らしい!イヤーピースを遮音性に優れるコンプライにしても、籠もりが生まれにくく、屋外でも使い勝手がいいです。近い価格帯のハイブリッドとして、XBA-Z5がありますが、間違いなく低域に関しては勝っています。Z5の低域は他に被りまくりで酷い

中高域は攻めすぎず、守りすぎず

冒頭でも述べたようにハイブリッドは高域を攻めがちです。確かに僕自身高域や、ボーカルのハイトーンががグッと伸びるのは好みですが、如何せん長く聴いていられない。いわゆる「刺さり」があると非常に疲れるんですよね。

DN-2002は、あまり高域が伸びません。おそらくチューニング次第ではもっと伸ばせるのでしょう。しかし、ここで高域を伸ばしてしまうと、間違いなく崩れます。主張しすぎない低域と、無闇矢鱈に伸ばさない高域のお陰で、下から上までどこも無理なく綺麗に鳴らしています。不必要なスペックを求めるより、いい音を作ろうとしたように思えます。間違いなく狙って高域をここで止めたと思われます。(サウンドアースのサイトには、どこまでも伸びる高域、と書かれてはいるのですがw)

大きな特徴が無い故に苦手ジャンルが無く、どんな曲でもバランス良く鳴らす、というのは高級イヤホンのあるべき姿であると思いますし、DN-2002はその理想に近いイヤホンであると思います。数十万するようなイヤホンも増えてきましたが、無駄にBAを増やして上も下も極端な音を鳴らすあれらの良さが僕には分かりません。

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ハイブリッドのあるべき姿ではないでしょうか

間違いなく素晴らしい出来だと思います。高域から低域まで、あえて無駄に主張させず、違和感なく、かつ堂々と鳴らしてきます。これが「いい音」であると思わされました。長時間着けていても心地よく聴けるのが一番じゃないですか、やっぱり。

聴き始めは低域が多く感じるハズですが、10分ほど聴いていると、とても心地よいものであることが分かると思います。平凡な音ではあるかもしれませんが、それも突き詰めると素晴らしい個性です。長く使える、万能選手として手元に一つ置いておきたい、そんなイヤホンです。

以上、音に関しては個人的には文句はないのですが、「オリジナリティの薄いデザイン」と、「リケーブルしにくい仕様」だけはどうにかならなかったのかな?

さて、試聴機なのでそろそろ返さねば…